T様よりご質問いただきました。
<質問内容>
いつも拝見させていただき勉強させて頂いてます。
ビンビン玉の針なんですが少し弱いような気がするのですが・・・
以前、私はA港から出る乗合船の常連ですがビンビン玉でドラグ設定を忘れ針を伸ばされてしまいました(泣)それ以降針だけは代えてます。
この時期は鯛狙いでは出ませんが、深場狙いで釣れますか?
と言いつつ乗合船はメバル(小)狙い・・・毎年メバルも小さく・・・数は釣れますが。
この時期で鯛が釣ってみたいです。
<回答>
いつも鯛ラバをご覧いただきありがとうございます。
まずフックの形状とそれぞれの特徴をお話します。
フックには、フックポイントの形状が大きくわけて「ストレート」と「ネムリ」の2種類があり、それぞれの特徴が違います。
■ストレートフック
掛かりが抜群でいわゆる「早掛け」に適している。そのために、ジャレつくようなアタリや口の外側などにも掛かりやすい。デメリットとしては、フックが貫通していないような状態で負荷がかかった時にその形状からフックが伸びてしまうことがある。
■ネムリフック
掛かりはストレートよりも悪いが(口の中をすべらせカンヌキ等に刺すことを目的にしている)、掛かればその形状から奥深く刺さろうとする。よって、ストレートとは対照的にフックが貫通していない状態で負荷がかかってもフックが伸びずに奥へ奥へと刺さろうとする力がかかる。
それぞれのメリット、デメリットも異なります。
そもそもビンビン玉は「ジャレつくようなアタリもフッキングに持ち込む」という製品コンセプトだと思いますので、ストレートフックを採用したのではないかと思います。
先日の鯛ラバQ&Aで「誘導式の鯛ラバ」の話でもご説明しましたが、これらは状況によって使い分けることが大切です。
例えば、真鯛のサイズが小さくショートバイトが多い場合には「まずはしっかりと掛けたい」のでストレートフックを使用します。
掛けないことには釣れないわけですからね・・・。
上図のように、ネムリはすべって凸のある部分で掛かりますが、ストレートはすぐに掛かろうとします。
大型が多く(または大型が出る可能性がある)しっかりとしたアタリが出やすい場合には「掛かりの良さよりも掛けてから伸びにくい」ネムリフックを使うようにします。
大型の場合は口も大きくカブラを丸呑みしていることが多いので、口の中にかかることがほとんどです。
口の中であればネムリでも掛かりやすいですし、その形状からどんどん奥へフックが刺さり伸びにくくなります。
上図のようにネムリは一度刺さると針先が奥へ奥へ入ろうとする形状をして、ふところで止まります。
針が引っ張られる方向と、針先が同じ方向を向いているのが分かります。
ストレートは針を引っ張ろうとする力と針先の方向が違うので、その形状から「針先のみが掛かった状態で無理な力がかける」と伸びやすくなります。(ふところまで入れば伸びにくいのですが)
針が引っ張られる方向と、針先が違う方向を向いているのが分かります。
昨年末の岡山で活躍した「ステルス」では、釣れるサイズが小さくなかなか食い込まないので途中からストレートフックに代えて釣果をアップさせました。
いわゆる掛けにいく釣りです。
逆に九州ではどんな時でも大型の可能性があるので、必ずネムリフックを使っています。
こちらは、しっかりと食わせる釣りですね。
どちらが良い、悪いではなくそれぞれの特徴を考慮し、使い分けてはいかがでしょうか。
さて、A港から出港されているということですがこの時期はもちろん深場でも釣れると思いますが、実は結構浅いところに群れていたりします。
このフィールドでは現在海苔パターンになっていますので、深場を狙うよりは思い切って浅場を狙う方が釣れる確率は高いと思います。
水温も低く厳しい状況ですので、1日巻いて1バイトということも十分考えられます。
A港周辺においては、この時期の1枚はハイシーズンの10枚に相当するといっても過言ではないと思いますし、この時期に精神力を高めておけば、ハイシーズンはさらに釣れると思います。
ぜひ貴重な1枚を釣ってください。