玄界灘の秋は「エビ(餌)への反応がすこぶる良くなり、ルアーを追いにくい」ことを実感されたことが多いのではないでしょうか。
私もその1人でカラーをエビにあわせたり、ワームを使ってみたりといろんなことを試したのですが、これまでこれといった結果は出ませんでした。
このような状況を諦めずに何とか鯛ラバで釣ることができないのか?
飛燕さくら丸の久保田船長が長年試行錯誤して、この秋に結果を出しているのは斜め引き釣法。
それもこれまでの斜め引き釣法とは異なるものであり、真鯛が下を向いている時(ボトムに張り付いている時)に有効なもの。
これまでの斜め引きは特に春に有効なものでした。
正確には「斜め上」に引くことで、春の浮いている真鯛を効率よくバイトに持ち込むものでした。
しかし、秋はあまり浮かない。
むしろ底にへばりつくようなイメージ。
そんな真鯛に対して「鯛ラバが底を這う」ように引いてくるのが秋の斜め引きです。
この釣法はできるだけラインを出す(鯛ラバを流す)のがポイント。
例えば水深80m程度のポイントを攻める時は、船はドテラで流してラインを150m、200m、250mと出して底付近を長くリトリーブします。
これがこの釣法のキモ。
そしてこの釣法をするために重要なのはタックル。
まずラインは最低でも200m、できれば300m巻いておくこと。
距離は出せれば出せるほど有利です。
太さは1号〜1.2号でリーダーは14lb〜16lb。
秋も深まり初冬にはブリがバイトしてくるので青物対策です。
青物が掛かれば少々強引にできるくらいのラインでないと、オマツリになってしまいますからね。
使用する鯛ラバのウエイトはタングステンなら80〜120g、鉛なら100〜150gからチョイス。
そして、長く出したラインの抵抗と鯛ラバの加重をスムーズに巻き上げることができるリール。
シマノならカルカッタコンクエストの300番やオシアジガーの1000番、ダイワならRYOGAのベイジギングが最適かと思います。
これらのハンドルノブは手で掴むようにグリップできるのが特徴です。
私はカルカッタコンクエストの300タイプJ-MにPE1.2号を300m巻いているものを使用しています。
さらに手返しが良いのは電動リール。
シマノならフォースマスター400、ダイワならシーボーグ150Jがおすすめです。
私はフォースマスター400にPE1.2号を300m巻いているものを使用しています。
リトリーブ〜ピックアップ(ファイト、回収)まですべて電動に頼るもよし、リトリーブやファイトは手巻きで回収時(ルアーを入れ直す)時にだけ電動に頼るもよし。
とにかくラインを長く出すので、回収だけでも電動があると手返しも早く、体の負担も少ないです。
ロッドに関してはポイズンオーシャンならTKC-64L、67M、TKC-67L-VCMを使用。
ラインの号数、長さ、リールの大きさ(電動)などタックル的にはややヘビーな選択ですが、釣り自体は非常に繊細。
ラインを長く出せば出すほど着底が分かりにくくなり、まるで瀬戸内の急流で釣りをしているような感じになります。
リトリーブスピードは、前回の大会では1秒1回転を基準に調整し、巻き上げる距離は例えば150mラインが出れば20回転、200mラインが出れば30回転というような調整をしていました。
豪快で繊細な秋の斜め引き。
11月は飛燕さくら丸で3枚のハチマルが出ています。
まだメスが多いですが、これを追ってオスが入ってくればもう一回り大きなサイズが飛び出しそうです。
この秋、大鯛を狙うなら玄界灘の斜め引き釣法が熱いでしょう。
詳しい釣法は飛燕さくら丸の久保田船長に聞いてみてください。