今週はジャパンフィッシングショー、そして来週はフィッシングショーOSAKAが開催されますね。
各社の新製品の発表を楽しみにしておられる方も多いことでしょう。
さて、今回は「リールのギア比とハンドルの関係」とちょっと難しそうな話題ですが、実はこのギア比について掘り下げた記事はそんなにありません。
記事になっても「スロー巻きにはパワーギア」、「高速巻きや手返し重視ならハイギア」といったことくらい。
私の持論になり、少々長くなりますが興味がある方は参考にしてください。
みなさんが鯛ラバ用のリールを選ぶ基準とは、いったいどのような基準なのでしょう?
持ちやすさ、パワー、ドラグ性能、糸巻き量・・・
まずはこの部分でしょうか。
この程度なら、ショップに行って商品を手に取ればある程度自分の好みは分かると思います。
自分好みのリールの機種を決めたら、次はギア比の選択になります。
そう、リールは機種によって2〜3種類程度のギア比が設定されています。
・パワーギア(ギア比が低いもの)
・ノーマルギア(ギア比が高くもなく低くもない中間のもの)
・ハイギア(ギア比が高いもの)
このギア比の違いというのは「自転車の変速ギア」に例えれば分かりやすいと思います。
・ギア比が低いと伝わる力は大きいが、距離は進みません。
・ギア比が高いと伝わる力は小さいが、距離は進みます。
「リール」においては、
・ギア比が低いと巻上げパワーがあるが、ハンドル1回転の巻上げ量が少ない。
・ギア比が高いと巻上げパワーはないが、ハンドル1回転の巻上げ量が多い。
となります。
ギア比はカタログスペックを見ると、
・パワーギア(5:1)最大巻上長(56cm/ハンドル1回転)
・ノーマルギア(6:1)最大巻上長(66cm/ハンドル1回転)
・ハイギア(7:1)最大巻上長(76cm/ハンドル1回転)
などと記載されています。
これらの数値を見て、お店でハンドルを回したところで違いはよく分からないと思います。
・重いものを巻くからパワーギア
・なんとなく中間のノーマルギア
・手返しを多くしたいからハイギア
よく分からない方は、これらの理由で決めているかと思います。
選ぶ理由としては、どれも間違いではないです。
パワーギアだと、ウエイトが重いものを巻くのは楽ですし、ノーマルギアはちょうどいいバランス、ハイギアは回収が速いので手返しが多くなります。
じゃ、結局は自分の好みで決めればいいのかということになりますが、1つとても重要なことがあります。
それは「潮の重さを感じ取れるか取れないか」です。
潮の重みとは、潮が噛む層で釣果を左右する大きな要因の1つとなります。
さっきまでは軽かったのに、この流しから重くなり始めたから潮がきいてきた。そろそろ捕食モードかな。。。
底は軽いけど、5回くらいハンドルを巻くと重くなる。と、いうことはこの変わり目の部分から上で釣れるぞ。。。
などの情報を得ることができるのです。
とても重要な情報ですよね。
この潮の重みは、リールのハンドルを巻く時の抵抗からの判断となります。
じゃ、この潮の重みとギア比って何の関係があるの?となると思います。
潮の重みとギア比は密接な関係があります。
「ローギアーになればなるほど分かりにくく、ハイギアになればなるほど分かりやすい」
これは、
・ローギア=小さな力で抵抗なく巻ける=抵抗が小さく伝わる
・ハイギア=大きな力で抵抗を感じながら巻く=抵抗が大きく伝わる
からなのです。
潮の重みを感じ取るには、必然的に抵抗が大きく伝わりやすいハイギアの方が分かりやすくなるのは、これらの理由があるからです。
私は、最初ハイギアのリールで潮の重みを感じることに慣れました。
船長から、どのあたり(ハンドル何回転)から重くなるかを確認しつつ、その感触を叩き込みました。
それを叩き込むと、今度はギア比をある程度下げても感じ取れるようになりました。
これにより、ある程度楽な力で負けて潮の重みも感じ取ることができるギア比というのが、自分の中で確立するようになってきました。
ただ、厳密に言うとギア比は同じでも素材やギアの大きさによって異なることも分かりました。
さらに、ハンドルの長さと組み合わされているギア比にも密接な関係があることも分かりました。
鯛ラバは、ライトタックルでヘビーウエイトのルアーを使うちょっと特殊な釣法です。
少しでも楽に巻けるよう、また予期せぬ大物とのファイトにも負けないように大型のハンドルを装着される方も多いでしょう。
しかし、先ほども述べたようにハンドルの長さとギア比には密接な関係があります。
さらに、ハンドル形状によっても変わります。
シングルハンドル(大きなノブ)は大きな力を生む分、繊細さに欠けます。
Wハンドル(小さなノブ)は大きな力は生みませんが、繊細です。
ああ言うと、こう言うし、こう言うと、ああ言うし(笑
はい、少し混乱してきましたね。
要するに、「ハンドルとギア比には密接な関係があるので、ベストなセッティングにする必要がある」ということです。
今、自分がとても使いやすいなと思っているのは、おおよそ6〜7:1程度のギア比に100mmのWハンドルとの組み合わせ。
この組み合わせなら、瀬戸内全域でオールマイティーに使えると思います。
20〜80m程度の水深、30g〜80gのカブラを使用するシチュエーションですね。
※このようにいろいろなギア比のリールとハンドルを組み合わせて、細かい違いを試しています。
ちなみにシャローのキャスティングで使用しているスピニングの場合は、6:1程度のハイギアを使用しています。(シマノ2500〜3000番です)
スピニングの場合は、現在のところハンドル長の異なるものはそれほど試していませんが、ノーマルハンドルの50〜55mmのままにし、ノブだけをラウンド形状に変えています。
もちろん、スピニングも小さいノブの方が潮の重みは分かりやすいのですが、ベイトに比べて巻き抵抗があるのと、スピニングの使用=活性の高いシャローゲームとなり、大型の真鯛も多く、ひったくるようなアタリが多いことから、すっぽ抜けの意味も考慮しホールド性の良いラウンド形状を好んで使用しています。
最後に、スローに巻くような活性の低い状況でも、ベイトのセッティングは変えません。
ハイギアでもゆっくり巻けばいいことですから。
とても長い説明になりましたが、参考になれば幸いです。
フィッシングショーOSAKAには、普段使用しているタックルを持っていく予定をしています。
このあたり、より分かりやすく説明できると思いますので、タックルセッテイングに悩んでおられる方はお気軽にご質問ください。
ロッドの違いなども含めて、ご説明させていただきます。