こ先日、亜衣ちゃんが動画で解説してくれた「タイラバロッドVCM511シリーズ」(前回の記事はこちら)。
動画では、分かりやすく解説してくれたのですが、今回は、
ディープだけにディープに
こだわった点を余すことなく
話してもらうことにしました。
では、亜衣ちゃんどうぞ!
皆さん、こんにちは〜っ!
田中亜衣でーす。
鯛ラバゲームが産声を上げて十数年、今やその世界も定着し、たくさんの釣り人に愛されるジャンルになってきました。
その間に、凄まじい勢いで様々なタックルが生まれました。
実はアタシ、もともとはバストーナメンターだって、そのせいか道具へのこだわりが多くて・・・
中でも、「ロッド」へのこだわりは半端じゃなく、鯛ラバゲームにハマって以来、この釣りに合ったロッドとはどんなものなのか?を知りたくなり、いろんなロッドを試して使ってきました。
創成期の頃、鯛ラバ専用のタックルはほとんど無く、ロッドをはじめルアーなんかのほとんどを自分で作ったり代用品で賄って釣りをしていましたが、それが逆に面白くハマった理由かもしれません。
そんな中、先ずはバスロッドを何本も船に積み込んで…みたいな感じで鯛ラバゲームに合ったロッドを探してました。
そこで自分なりの一つの答えが出ました。
この釣りはバスで言うところの「巻の釣り」
バイトしてアタリを感じて、そのあと魚の重みが手元に伝わったらスイープにフッキングといった動作を助けてくれるロッドが良いと・・・
そこでクランクロッドといってグラスファイバーのロッドを使って釣りをしました。
やってみると思っていた通りの手ごたえで真鯛がオートマチックに掛かりバラシも少なくなりました。
しかし、バスロッドなのでグリップも短くファイト時には少しやりにくいのとグラス特有の「ダルさ」がどこかその釣りを楽しくさせてくれなかったのを覚えてます。
次に持ち込んだのが低弾性カーボンのディープクランクロッド。
少し長めで7.2fだったかな。
低弾性カーボンの粘っとしたトルクを活かして、軽めの鯛ラバなら楽にキャストもこなせる良いロッドでした。
その後もブランクを探しては自分で作って「あーでもない、こーでもない」と試行錯誤して「コレだ!」と思うロッドが出来た頃、ジャッカルの加藤さんと出会って、今ではジャッカルで物を作ることを楽しませてもらってます。
そんなこんなで、遠回りしながら上手く行かないことも多かったけど、そのひとつひとつが頭ん中にあって、やっとそれらを整理できるところまでやってきました。
現在、ジャッカルからリリースされている鯛ラバロッドは、「VCMシリーズ」「HSシリーズ」「RBシリーズ」とありますが、今回発表したBIN-BIN STICK VCM-511 ドテラスペックは経験を形にしたかなり濃い目のロッドになりました。
開発の大筋は経験から導き出しています。
ブランクは、VCMの低弾性カーボンのチューブラーを使用。
この辺りは「迷いなく」っていった感じで「ディープドテラにはコレしかないでしょー」と揺らぎないもの。
だけどね、いろんな欲が出てくるアタシ。
開発ウラ話だけど、既存のVCMのティップを切ってソリッドティップを取り付けちゃったりもしました。
「しなやかで粘り強い」といった今回のコンセプトの「しなやかさ」がもっと出るかもしれないと単純な考えなんですけどね(笑)
でっ、試してみた………
「ダメじゃーん」
ソリッドを使ったティップ、しなやかで強い低弾性カーボンのベリーとバット、この「しなやか×しなやか」は超しなやかにはならずに「雑っ!硬っ!」という感じになっちゃったのです。
てか、やる前から少しはそんな気がしてたんだけどねー。
分かってたのですが、何でもやってみたくなるアタシなのです(笑)
物は真剣に作りながら楽しまないと良いものが出来ない!
とその昔、誰かが言ってました。
アタシも、いつもそんな感じです。
話を戻して。
現在の鯛ラバシーンでは、HSシリーズのようなソリッドティップというブランクが主流です。
ほんと、ほとんどがそうじゃないかな。
「流行り」なのかもね。
実際にショーとかで「このロッドはソリッドティップ?それともチューブラー?」と質問されることが多いのも、そんなことからかも・・・
素材が何であれ、しなやかで滑らか、そして粘り強いといったロッドが鯛ラバゲームには良いと思うんだけどなぁー。
あとは、素材の違いで得意なシチュエーションに当てはめる。
なんて心の中では思ったり思わなかったり思ったり思ったり・・・あはっ♪
VCMシリーズは、低弾性カーボン(あるいはグラスコンポジット)のチューブラーという素材。
昔からあるオーソドックスなカテゴリーのブランクなのですが、鯛ラバの世界、
特に今回手掛けたディープドテラという舞台では、今のところこれ以上のブランクは思いつきません。
とまぁ、偉そうに言ってますが、VCMシリーズの前身のPOISON OCEANからの「低弾性カーボン」というブランクに惚れちゃったから「ディープドテラのロッドをこのブランクしかないよね〜」って思ったのです。
ブランクが決まると次はレングス。
そのブランクは
調子が狂わないように出来るだけ短く
しました。
それは、気象条件などでルアーが遥か彼方に飛んだときの重い水圧や、その中でBIG REDや大型の青物とのファイトで体力消耗を軽減するためには絶対の条件だったので、かなり苦労しました。
あとは、そんな状況下ではロッドを下向きに構えるのですが、ルアーを巻くだけで前方への引っ張られる力はかなり強いです。
軽く握ってると飛んでいきそうな勢いで、グリップを支える手も握力を使います。
それも体力消耗の原因になるので、ホールド性に優れたグリップとリールシートなど細部にまでディープドテラ専用にこだわりました。
それと、ガイド径を少し大きくしました。
これは、外海でのクラゲ対策です。
ラインを何百メートルも出して釣っていると、季節によってはクラゲがラインに少しずつ引っかかり、回収する頃にはトップガイドにどんどん溜まって小梅くらいの大きさになることも・・・
ファイト中にコレが起きると大変っ!
ガイドが詰まってラインが巻けなくなることもありますからねぇ。
そんなこんなで、今回のロッド開発は今までで一番ピントが合った仕上がり
「前からずっと欲しかったロッドが形になった」
そんな感じです。
VCMというブランクをディープドテラで使う意味
体感してもらえばすぐにわかると思います。
兎にも角にも
思いっきり曲げて
思いっきり楽しんで
思いっきり釣ってもらえれば
幸いです。
と、長々と書きましたが、最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
ではでは、皆さん良い釣りを♪