ロッドワークで以前からやっていたことですが、今回その効果がハッキリと分かったのでお話しようと思います。
少しマニアックですが、やってみる価値はありますよ。
今回の九州・玄界灘の釣りは波が高い時間があり、魚も低活性でした。
確かに潮が動いた二日目はそれなりに釣れたのですが、バイトそのものは高活性のものとはほど遠いものでした。
高活性の時は水深100mなら、まず「重みを感じ」そこから「カッカッカッ」としつこく入り、「グーッ」と真鯛が乗るのが分かる感じです。
ですが、今回は「重みを感じ」で終る、もしくは「カッ」で終るようなアタリが多かったのです。
このようなことから、私は真鯛がカブラを追い切れていないと判断しました。
そこで、何をしたか?
まず、いつも波が高い時に実践していることをご説明します。
以下の図をご覧ください。
Aは船を真横から見た図でBは船の断面図です。
Bの断面図を使って説明します。
波がない時は、以下の図のように水面に対して垂直にラインが入ります。(少しは波や風で揺れますが、ほぼ垂直です)
次に波が高い時。
以下の2つの図の動きを繰り返します。
これを繰り返すと鯛ラバの動きはどうなるのか?
それが以下の図です。
波のない場合のリーリング軌道をAとします。
Aの状態から波が来た場合、Bのように身体が持ち上がるので鯛ラバはリーリングしているスピードに身体が持ち上がるスピードがプラスされ、一気に持ち上がり鯛ラバ軌道図のAからBにスピードアップします。
そして、波間が来るとCのように身体が下がり、今度は逆に鯛ラバ軌道図Cのようにスピードダウンします。
要するに、一定のスピードで巻いているつもりが、波によって鯛ラバが一定のスピードではなく「急に速くなったり遅くなったり」を繰り返してしまいます。
魚が高活性の時は、それほど気にしなくても良いことですし、逆に食い気を誘ったりすることもあるのですが、低活性の場合はそうはいきません。
魚がカブラを追いきれないので、途中で諦めたりします。
ではどうすれば良いのか?
このように、身体が持ち上がろうとすれば「前のめりな姿勢」にし、下がろうとすれば「上体をそらす」ようにします。
船の動きとは逆の動きをすることで、鯛ラバのリーリングスピードがほぼ一定に保たれます。
これを行った上で、次にロッドのチョイス。
最初、私はジャッカルのVCM-68Mを使っていました。
理由は、100gのカブラを使うことと、それなりにロッドに負荷がかかるので魚を掛けるバットを残したかったこと、そして魚の活性が低いので食い込みのよいロッドを使いたかったからです。
ですが、魚のノリが悪いのでアタリがあれば即掛けてやろうと、ジャッカルのTKC-67Mにチェンジしてみました。
ところが、これでもバレてしまい即掛けしても駄目だと分かりました。
それなら、一層のことさらに食い込みを良くしようとオートマチックに掛かりやすいジャッカルのVCM-67Lを使いました。
普通に使うと100gのカブラ+引き抵抗で、このロッドの最大の特徴である「食い込ますティップ」どころかバット部分までが曲がってしまいます。
そこで、以下の図のBようにロッドティップを下げ気味にし、その部分を少しでも残すようにしました。
そうすることで、以下の図のようにロッドの負担が減ります。
さらに、角度がつくのでロッドティップの入りの少なさをフォローすべく、リールのドラグを気持ち緩めに設定し食い込みを良くさせることにしました。(魚が掛かれば一気に通常のドラグ値まで締めました)
結果、このセッティングが一番ヒット率を上げました。
少々マニアックな話ですが、こういった「ちょっとしたこと」をするだけでリーリングスピードが一定に保たれますし、アクションの違うロッドを複数持ち、状況に応じたロッドを的確に選んできちんとした使い方をしてやれば、おのずと釣果はアップするものです。
「ちょっとしたこと」ですが、一度試してみてください。