先日の記事と関連するのですが、今回はショートネクタイと段差フックショートバイトチューンについてご説明します。
まずショートネクタイですが、これは2年程前に岡山県下津井の松本釣り船2さんに行った時、事前に「ベイトが小さく厳しいですよ」という一言から「ビンビン玉ステルス」という通常よりも短いネクタイを使用しスカートレスにしたところ、良い釣果に巡り会えたことからショートネクタイの有効性を感じていました。
ベイトが小さい時に加えて活性が低い時にも有効なチューニングです。
ストレートタイプのネクタイでもカーリータイプのネクタイでも、どちらでも簡単にチューニングできますのでご紹介いたします。
用意するのはPEラインのカットに適したハサミ。
通常のハサミですと、余程ハサミの刃が鋭くないとネクタイの素材がシリコンであるために滑りやすく、綺麗にカットすることができません。
PEラインのカットに適したハサミですと、刃がギザギザになっていて滑るような素材でも刃が素材に絡みやすくカットしやすいです。
ハサミがあればチューニングできますので、現場で必要な時に手軽に作れます。
カットの位置や形状は下記の写真を参考にしてください。
■ストレートタイプのショートチューン
■カーリータイプのショートチューン
ショートチューンしたネクタイを通常のようにスカート付きにしたり、スカートのボリュームを減らす代わりにアピールさせるティンセルを装着したり、徹底的にシルエットを小さくするためにスカートレスにしたりしたものを使い分けることで、状況にアジャストさせていきます。
またストレートネクタイのショートチューンに場合はフックの向きがキモとなります。
ネクタイとフックが並行になるように装着することで、フックがネクタイに絡みにくくなります。
次に段差フックショートバイトチューン。
通常、市販されている鯛ラバには上針と下針という段差があるシステムが採用されています。
この段差の距離が各メーカーによって微妙に違うのですが、ショートバイトが多い時や活性が低い時に段差の距離を長くすることでフックアップさせる確率を高めることができます。
ただ、その距離に関してはどのくらいがベストなのか?というのが課題でしたが、この年末から年始にかけての釣行でほぼこれくらいがベストでは?ということが分かり始めたのでご紹介します。
使用しているスカートの長さにもよるのですが、私が使用しているビンビン玉のネクタイではこのような長さが現在のところベストセッティングかと思います。
上針の位置はノーマルのものと同じ位置であるのに対し、下針はネクタイの真ん中あたりにあります。
この距離がなぜベストセッティングなのか?
例えば上針がネクタイの真ん中あたりで、下針がネクタイと同じかそれ以上でもいいのではないのか?
もちろんそれも試しました。
ですが試行錯誤して試した結果、このセッティングが一番良い結果だったからです。
まず上針の位置が「そのまま=ヘッドに近い」理由ですが、ショートバイトや低活性時=ネクタイの先(後方)を噛んだがすぐに離したと思いがちです。
でも本当にそれがすべてなのでしょうか?
「ヌーっ」とまるで海藻が鯛ラバにまとわりついたようなアタリであればそうかもしれませんが、「コツッ」や「コン」といった比較的明確なタイプのショートバイトもあります。
いずれのアタリも水温が低い時期や低活性時、または小型が多い時に多発するタイプのアタリです。
こういう状況で釣った魚がどちらのフックに掛かっていたか?
思い出してみてください。
下針ばかりではないことに気付きました?
そうです、こんな状況でも上針が掛かっていることがあります。
上針が掛かっている確率よりも下針にかかっている確率の方が多いのでは?と思うかもしれませんが、テスト結果では低活性時でも上針に掛かっているのは半分、もしくはそれ以上の日がありました。
なので、低活性時と思えるような状況でも頭付近にバイトするということが言えると思います。
次に下針をネクタイの約半分の位置に設定した理由ですが、これは加太の清海丸船長から聞いた話がヒントになりました。
鯛ラバのようにシリコンやゴムのネクタイではバイトした位置(歯形)が分かりにくいのですが、加太で真鯛を釣る時に使っているビニールははっきりとした歯形がつきます。
この位置がフック付近、いわゆる頭の方向となる部分から真ん中にかけて集中するというもの。
一番後ろの部分にはほぼ歯形がつかないそうです。
ただ、ビニールは鯛ラバでいうところの「デッドスロー」なスピードで誘うので、後方付近へのバイトがほぼないのかなと思える点はあります。
鯛ラバの「ヌッー」としたアタリはどうもネクタイの後方付近にバイトしているように思います。
かと言って、下針をさらに延ばすと、
・ネクタイに絡みやすくなりアクションを損ねる
・フォール時にリーダーにフックが絡みやすくなる
という欠点が生じます。
張りのある素材のものを使用してみると、リーダーにフックが絡みにくくなりますがネクタイにフックが添わないのと吸い込みが悪いと思えたのでこれもNGでした。
これらのことから、上針はノーマルの状態(ヘッドに近い位置)、下針はネクタイの中心付近が現段階ではベストなセッティングであると思えます。
ただし、これはノーマルの長さのネクタイを使用した場合のことであり、ショートネクタイの場合は、
・ネクタイに絡みやすくなりアクションを損ねる
・フォール時にリーダーにフックが絡みやすくなる
ことがなくなるので下針はネクタイの後方付近でOKです。
ぜひこの時期、ショートネクタイチューンと段差フックを試してみてください。