いよいよ各地で釣果が本格的になってきました。
のっこみシーズンに乗り遅れないように、私も頑張りたいと思います。
鯛ラバシーズンを前にこの冬に開催された、フィッシングショーや店頭イベントなどで「とにかくバレる」「バラシを少なくするコツはなんでしょうか?」というお悩みやご質問をたくさんいただきました。
皆様相当苦しんでおられますね。
少しでもバラシを減らすために針を変えたり、針の垂らし長を変えたり、あるいは遊動式を使ったり、強くアワせてみたりと色々と試しておられるようですが、基本ができていない状況であれこれしてもうまくいかないものです。
「バラシ対策の基本」をあらためてここで確認、実践してみませんか。
※ここで解説する「バラシ対策の基本」は、魚を掛けてから取り込むまでのいわゆる魚とのやりとり、ファイトについてのことです。
なぜ今この話題なのかと言うと、渋いアタリが多い冬やベイトによってコロコロと反応が変わる夏に比べて春は活性良く、また安定したパターンで釣果を得られる傾向にあります。
つまり、掛けてから釣り上げるまで、基本のファイトを練習しやすいシーズンと言うわけです。
<まずは安定した姿勢を保つこと>
安定した姿勢は「安定したリーリング」そして「安定したファイト」への基本。
後日、詳しく解説しますが船が揺れてもフラフラしないように体をしっかりと固定することが大切です。
そして最も重要なことはロッドのバットをしっかりと脇に挟んで固定し、リールに手を添えてロッドティップを水面に向け下げた状態にすることです。
<安定したファイト>
・アタリがあっても
・魚が掛かっても
・魚が走っても
「ロッドの位置をそのまま(ロッドティップをやや下げた状態)で一定スピードで巻き続ける」ことが基本です。
現場で見ていて一番多いバレ方は、ロッドを立てたりドラグを途中で締めたりした時です。つまり自らラインテンションの緩みを招く様な行為です。
「リールのハンドルを巻く手を止めたり、逆に焦って巻き合せの様にリーリングを速くしたり」をした時も良くありません。
こういう状況を見かけたら「バレますよ!そのままゆっくり巻いて」とアドバイスするのですが、ついつい焦ってしまった結果、ロッドを立ててしまったりハンドルから手が離れ、気がつけばバレてしまっています。
この「ロッドを立てる」という行為。
他の釣りではいわゆる「竿に仕事をさせる」ためにも必要な事なのですが、鯛ラバのファイトにおいては逆効果になることが多いです。(もちろんファイト方法やパターンによる例外もあります。)
真鯛の首振りでロッドが暴れる=テンションの強弱が生まれてバレる原因になります。
「ロッドティップを下げ気味に、一定スピードで巻き続ける」ことで刺さっている針のテンションが緩まなくなり、バレることが少なくなります。
伝わりにくいかもしれませんが、これだけで本当に天と地の差が出ます。
鯛ラバへの魚の追いや針の掛り所までも左右する重要な要素ですので侮れません。
<ファイトで巻き続けるためのドラグ設定>
使用している針の大きさや太さや強度によって異なりますが、500g〜700g程度の負荷をかけた時にドラグが滑り出すように調整します。
簡単な調整方法はペットボトルに500gなら500ml、700gなら700mlの水を入れてラインに結び、ロッドをゆっくりと立てます。
その時にドラグが少しずつ、じわりじわりと出る程度に調整するとよいでしょう。
安定した取り込みを実現するために、この調整も大変重要な要素です。
ドラグの強度の目安は、
・細い針ほど緩めに
・釣れる魚のサイズが小さい時は緩めに
※細い針ほど貫通性が高いので緩めのドラグ設定で貫通します。また針が細いと身切れを起こしやすいので緩めのドラグ設定にします。
・太い針ほど強めに
・釣れる魚のサイズが大きい時は強めに
※太い針ほど貫通性が悪いので強めのドラグで貫通させます。
といったことでしょうか。
繰り返しますが春の真鯛は活性が高く、食い込みが安定している事が多いので絶好の練習機会です。
お悩みの方は、ぜひこの時期にトライしてみてください。