今年の玄界灘の真鯛は年明けからずっと好調で現在もそれを維持しています。
ここ何年か毎年GWは玄界灘に釣行していますが、今年は一番苦労した釣行でした。
例年は大潮周りに行っていたのですが今年は小潮周り。
釣れた真鯛は産卵を終えた個体も混じっていました。
産卵を終えたと言っても、真鯛は数回に分けて産卵するのでお腹の中に真子や白子が全くないわけではありません。
例年の玄界灘ならGWに釣れた個体は肛門から卵や精子が吹き出すのですが、今年のGWの個体は吹き出すどころか、ややお腹が凹んでいるように思えました。
潮の関係もあるのでしょうが、例年味わっていた「中層速巻きでガンガンヒットする」ような瞬発力のある時合いに突入することはなく、ポツリポツリとほぼ単発で拾い釣りをする感じ。
そして終ってみれば30枚超という釣果。
好釣果といえる枚数だと思うのですが、釣れる人と釣れない人がハッキリしていました。
カラーなのか、巻きスピードなのか、他に何が原因なのだろうか?
初日、体調不良ながらも釣れている人と釣れていない人との違いは何なのだろうかと観察してみたのですが、これといった決定的なことは分かりませんでした。
先ほど述べたように明確な時合いというものがあまりなく、拾い釣り。
初日に掴んだことと言えば、
・産卵前、産卵後の個体が混じる
・真鯛が浮いていない時間が長い
・スローな巻きで釣れる
・釣ったナナマルのアタリが弱々しかった
・釣れているカラーはマチマチである
・潮上と潮下の釣り座の方が多くの枚数をとっている(私は胴の間でした)
ということ。
初日に得た情報をより確実なものにするべく、迎えた2日目。
朝一はドテラ流しだったので釣り座の影響はあまりない状況で、カラーのみ「朝マズメ・薄曇り・春」の3つの要素から「イカグローが強い」と判断し、短時間でナナマル含む2枚とレンコ鯛を数枚釣り1人プチラッシュを味わう。
しかしパラシュートアンカーを入れてから状況が一変。
この日も胴の間にいた私をすり抜けるかのように潮上、潮下にアタリが集中しだす。
釣れている人を観察すると、やはり巻きはスロー。
潮上の人は赤やオレンジで潮下の人はグリーン。
赤でもグリーンでも釣れるのはなぜ?と意味不明になりそうですが、これはカラーがどうこうというものではないと判断。
結局この日も船中30枚超で潮上と潮下の釣り座の方が多くの枚数をとっていました。
この2日間で釣れるパターンの確信を得ました。
■まず一番大事なのは釣り座
例年の玄界灘なら「中層速巻きでガンガンヒットする」ので、釣り座に関係なく釣れるのですが今回の玄界灘はあまりやる気のない真鯛がボトム付近に居て、目の前を通るものに口を使うという状況だったので釣り座の影響は特に大きかったように思います。
冒頭でも述べたように産卵後の個体、特に大型に限っては私が釣った4枚はすべて一度は産卵を終えている個体で活発に追って補食するようなイワシやイカなどのベイトでなく、補食しやすいナマコやヒトデのような底性生物を吐き出しました。
さらに、群れの中でも、食い気が他の個体よりもあるものだけが食ってくるような状況だったので、その個体に遭遇する確率が高い潮上の釣り座が有利だったように思います。
あと、福井県の茱崎でもそうですが真鯛が船の下を避けていることも考えられるかと。
活性が低い上に船団。
真鯛のストレスは相当なものだったように思えます。
このことからも船から離れる潮下も有利な釣り座だったのではと思います。
■カラー
これは特に大きく外していなければOKだったように思います。
■リトリーブスピード
スローが圧倒的に有利でした。
ナナマルを4枚釣りましたが、大抵このサイズなら一気に「ゴン」というアタリでノセることができるのですがレンコ鯛やチャリコのような小さなアタリが続き、なんとか鯛ラバを追っているようなアタリでした。
アワセを入れる人なら一体どこでアワセたらいいのだろう?と思うような、弱々しく食い込まないアタリです。
また、波の影響で船が揺れた際はティップを下に向け波と体を同調させて、船の揺れによる不安定なリトリーブにならないようにしました。
過去にその対処方法を記載していますので参考にしてください。
https://taikabura.com/admin/blog/2011/03/post_503.html
■タックル
弱々しくなかなか食い込まないので、ティップの柔らかいノセ重視のロッドに緩めのドラグ設定にしたリールで対応しました。
これをすることで、鯛をノセることができたかと思います。
■フック
昨年末から試していたサーベルポイントの能力を再認識することができました。
貫通性はディープでも抜群、また4枚のナナマルを掛けましたがしっかり貫通しているので伸びることはありませんでした。
アワせは入れていません。
ドラグを緩めにし(500g〜600g程度)ゆっくり時間をかけてファイトしました。
結果的に掛けてからのバラしはほぼありませんでした。
これらの対応をした結果、3日目以降はきちんとアジャストできたかと思います。
例年のイケイケ感があるGWの玄界灘の思い込みが大きく、アジャストするのに時間を要しましたがまたひとつ勉強になりました。
先日の香川県・高松での釣行でもそうですが、自身の経験などからくる経験や思い込みは時として歯車を狂わせて釣りのリズムを崩しますし、何よりも自然相手である以上、絶対というものはなく日々刻々と変化し近いエリアでもパターンが全く変わる場合があることを再認識しました。
釣りというものは、私だけかもしれませんが良い時の状況は良く覚えているのですが、悪い時の状況はあまり覚えていないもの。
現場で「前はこのカラーで良く釣れたのになぁ」とような声をよく聞きますが、それで結果が出ないのであれば違うことを試してみることが必要です。
釣ったことがないカラーは使いたくないですし釣れる気がしないでしょう。
それで釣れたなら新たな引き出しが増え、結果的に真鯛をキャッチできる確率が上がります。
ぜひ、いろんなことを試してみてください。