夏のシャローに代表される「キャスティング鯛ラバ」。
メリットはなんといっても広範囲にプレッシャーが少ない魚を狙えること。
時にバーチカル釣法よりも圧倒的に釣果を叩き出す破壊力を持っています。
さて、この釣法ですが世間では「潮が流れる方向にキャスト」がセオリーと言われています。
これは間違いではないのですが、私個人では「その時の状況を把握してキャストする方向を決める」というのが正解だと思っています。
このことについて、私が知る限りネットや雑誌、DVD、TV番組などできちんと解説しているものはありません。
先日放送された釣りビジョン「#19 兵庫県明石沖 初夏のBinBinキャスティングマダイ」では、状況をしっかりと把握してキャストする方向を見定めてヒットに持ち込んでいたシーンを覚えていらっしゃいますでしょうか。
番組で解説するととても長くなるので割愛しておりましたが、今回、鯛ラバで数回に分けてその全貌を明らかにしたいと思います。
<キャストする方向は様々な条件によって変わる>
キャストする方向は「風で船が流れる方向」と「潮が流れる方向」によっておおむね決まります。
これらの因果関係を説明する前に、まずは下図をご覧ください。
同じタックルを使用して同じ方向にキャストしても、「風で船が流れる方向)」と「潮が流れる方向」によって大きく分けてA、B、Cの3つのパターンがあります。
この中でベストな状態が「B」であり、2番目が「C」で一番悪いのが「A」となります。
この順番を覚えておいてください。
では、それぞれ3パターンの状況を解説します。
まずはベストな状態である「B」の状況。
下図をご覧ください。
船と潮の流れが同調しており、非常に釣りがしやすいといえる状況です。
風が吹いていない、もしくは微風で潮が素直に流れている状態です。
次にベストではないが悪いわけでもない「C」の状況。
下図をご覧ください。
船(風向)と潮の流れが逆(互いに離れる状況)になっています。
最後に一番悪い状況の「A」の状況。
下図をご覧ください。
船(風向)と潮の流れが逆(互いに近づく状況)になっています。
これと同じような現象が「二枚潮」の時にも起こります。
それが下図です。
「上潮が走り底潮があまり動いていない」状況です。
同じ二枚潮でも「上潮があまり動かず底潮が走っている」状況では、私の経験上ベストな状態である「B」に近い状態であると考えています。
以上、海に出ると大きく分けて上記の3つの状況のどれかに近い状態に遭遇すると思います。
もちろん、この3つに当てはまらない状況もありますが、それを1つ1つ説明すると細かくなりすぎますので割愛します。
繰り返しますが、ベストは「B」、次に「C」で一番悪いのが「A」。
この順位で分かることは、
キャスティング鯛ラバは「キャストした鯛ラバをリーリングしてフォールさせる動作において、鯛ラバが手前に近づき過ぎず、離れすぎないこと」
です。
よって、キャスティング鯛ラバのセオリーは、
「潮上にキャスト」ではなく正確には「キャストした鯛ラバをリーリングしてフォールさせる動作において、鯛ラバが手前に近づき過ぎず、離れすぎない方向」
がセオリーとなるのです。
これをまず頭に良く叩き込んでおいてください。
→続いて「キャストする方向を見極める方法」の解説を見る