鯛ラバは、一説によると長崎県や徳島県の真鯛釣りの伝統漁法で、鉛玉(ヘッド)に数センチのハリスを付け、それにウタセエビなどの餌をつけ真鯛を釣っていたのが発生したと言われています。その釣法が広まって特定の地域で変化していきます。餌の代わりにビニールやラバーが用いられるようになり、ルアー(疑似餌)に変化しました。
近年、この鯛ラバがゲームフィッシングとして全国に広がり、鯛ラバを「落として巻くだけ」という手軽さや、真鯛をはじめとする様々な魚が釣れるといった万能ルアーであることもあり、多くの人々に支持される釣りとなりました。
※鯛ラバ、タイラバ、鯛カブラと人や地域によって呼び名が複数ありますが、当サイトではこれらの呼び名を「鯛ラバ」に統一しています。過去のブログ記事の中では混在している場合もございますが、過去のブログ記事はそのままで今後更新されるブログ記事に関しましては「鯛ラバ」という呼び名に統一させていただきます。
鯛ラバとは
鯛ラバとは、鉛やタングステンでできたヘッド、ハリスに結ばれた針、スカート、ネクタイの4つのパーツが組み合わさって構成されています。
ヘッド
ヘッドの材質には鉛製とタングステン製の2種類があります。両者の違いは比重。鉛の比重が11.34に対しタングステンは19.8なので、同じ大きさなら鉛はタングステンに比べ約1.8倍の大きさになります。
比重の違いは、同じ重さを使う場合、沈むスピードや引き抵抗の違いにつながります。同じ重さでも小さい方、すなわちタングステンの方が鉛に比べて比重が大きいので、タングステンの方が抵抗が少ないため沈むスピードが早く引き抵抗が軽くなります。これらの材質の特性をうまく使い分けることが釣果を左右します。
また、ヘッドの重さは水深を基準に選びます。目安としては「水深=グラム」です。水深60mなら60gを基準に、着底が分かりにくいようであれば70g、80gと重くして調整します。
スカート
細いシリコンを10本前後束ねられたパーツです。
ネクタイ
シリコンやワームなど様々な素材・形状のものが販売されています。スカートとネクタイのカラーの組み合わせや動きが釣果を左右します。
針とハリス
紐のような素材のハリスはシーハンター(YGKよつあみ)という製品が採用されることが多い(8号か10程度)。市販品の多くは2本の針が結ばれており、長短が付けられている。針はチヌ針やグレ針をはじめ専用の針も登場し、大きさを使い分けることが釣果を左右します。
パーツは自作できる
タイラバ(鯛ラバ)がおもしろい秘訣は、鯛ラバを構成するパーツを自作したり、手軽にカスタマイズできる点です。色、形、素材、大きさなど何をどう組み合わせるか、また自分で考えた組み合わせで魚が釣れた時の喜びがこの釣りをさらに楽しくさせます。
基本タックル
基本となるのはベイトタックル(両軸リール)だが、エリアや状況次第ではスピニングタックルを使う場合もあります。専用のタックルが最適ですが、最初からタックルを揃えるのは負担がキツイという方は、乗船する釣り船(遊漁船)で専用タックルをレンタルすることができる場合があります。無料だったり、1,000円前後だったりと負担を少なくすることができますし、レンタルタックルを使うことで自分が使いやすいタックルが見つかるかもしれません。
おすすめのロッド
6フィート(約1.8m)前後の鯛ラバ専用ロッドがおすすめです。ティップの柔らかいものが食い込み重視、硬いものは潮流が早い場所で鯛ラバ)の底取りがしやすくなります。ロッドの素材はソリッド、チューブラー、カーボンなどがあり、素材や長さの配分の違いがロッドの特性となります。
おすすめのリール
小型の両軸(ベイト)リール、スピニングリール(2500〜3000番)がおすすめです。魚が掛かるとラインが出て行くドラグの設定は700g前後を基準にするとよいでしょう。1リットル以上のペットボトルに水を700ml入れてラインに巻きつけ、ゆっくりロッド(竿)を持ちあげた時に、ジワジワとドラグが出ていく程度で設定をします。
ラインシステム
リールにはPEラインという編み込まれたラインをメインラインとします。ラインの太さは1号を基準にするとよいでしょう。PEラインには大きく分けて4本編みと8本編みの2種類があります。4本編みはコシが強く張りがあります。一方、8本編みは柔らかく滑らかです。PEラインの先には5m前後のリーダー(フロロカーボンライン)を結びます。結び方はPRノットやFGノットが一般的です。リーダーの太さは4号から5号くらいが基準です。
基本的な釣り方
鯛ラバを「落として底に着いたら巻き上げる」ことが基本の動作です。リールを巻くだけでタイラバ(鯛ラバ)をアクションさせる必要はありません。
1.タイラバ(鯛ラバ)を落とす
リールのクラッチを切ってスプールに軽く指をあててサミングをしながら鯛ラバを底に落とします。底に着いたら
すぐに巻き上げます。
2.タイラバ(鯛ラバ)を巻き上げる
巻き上げる際に重要なのがスピードとレンジ(水深)です。1秒にハンドルを1回転を基準、状況にあわせて速いほうがよいのか、遅いほうがよいのかを調整しましょう。巻き上げはできるだけ一定速度で巻き上げることを心がけましょう。巻き上げる水深は、船長が指示してくれます。分からない場合は船長に確認しましょう。なお、自分のリールがハンドル1回転あたりどれくらい巻き上げるのかを知っておくと、巻き上げた水深が把握しやすいです。例えばハンドル1回転あたり70cm巻くリールなら、10回巻けば7m巻き上げることになります。また、より正確に巻き上げるためにカウンター付きのリールを使う手もあります。
3.アタリ
魚からのアタック、いわゆるアタリは巻いている最中や止めた瞬間、落としている時などどこで来るかは予測不能です。タイラバ(鯛ラバ)が水中にある限り、魚がアタックしてくる可能性があるわけです。アタリはモゾモゾとしたものやゴンっと力強いもの、フワッと軽くなるなど様々です。巻き上げている時にアタリがあれば、そのまま慌てずに巻き続けてください。リールのクラッチを切っている時、すなわち鯛ラバを落としている最中にアタリがあった場合は、すぐにハンドルを巻き上げましょう。
4.魚との格闘
ハンドルをゆっくり巻き続けるだけです。とにかく慌てないことが大切です。ハンドルをゆっくり巻き続けていると、少しずつ魚が弱ってきて水面に浮いてきます。魚が浮いたら船長が網で掬い上げてくれます。
釣り船(遊漁船)に乗る
鯛ラバをするためには、釣り船(遊漁船)に乗船する必要があります。最近の釣り船(遊漁船)は、女性や子供でも安心して乗船できるように、キャビンや個室のトイレがついていたり、温かいものが食べられるように電子レンジや湯沸かしポットがあったりします。
どの船に乗船すればよいのか分からない方は、鯛ラバができる釣り船(遊漁船)を紹介しているページがありますので、そちらを参考にしてください。